2021-03-26

【株価はどう動く?】米ニューハイテク相場に転機、「テスラ売り」はその予兆か

バイデン勝利相場の「ユーフォリア」


 株式相場の大きな流れは変わっていないと見ていますが、ここに来て、米国の長期金利が上昇したということで、米国株式市場では「弱気筋」が台頭し、先行きに悲観的な見方も出てきています。

 これまで米株高を牽引してきたニューハイテク関連銘柄の中には頭打ちになったり、テスラのように急落するものも出てきています。

 2020年11月3日にバイデン大統領が登場して以来、「バイデン勝利相場」が続いていたと思いますが、ここに来てその「ユーフォリア」(陶酔感)が相場にかなり織り込まれて、株式市場は次第に現実を見つめるような動きになっています。

 この現実を見つめる動きとは何か。今は日米で金利上昇が株価下落の要因だと騒がれていますが、私はそれほど大きな問題だとは考えていません。これまでのゼロ金利、マイナス金利が異常だったわけですから。

 米国株は乱高下、波乱の展開となっていますが、これまで「MAGA」、「FAGA」、テスラ、ネットフリックスのような銘柄に、米国の個人投資家は強気の見方をし、投資してきました。この強気に修正が入ってきているのです。

 その代表がテスラ株の急落です。テスラ株は直近、900㌦近辺で天井を付けていますが、この短期サイクルの出発点からの半値押しは640~650㌦です。

 3月8日には600㌦を割るなど、この水準を大きく下回っています。テスラ株は短期サイクルで下落トレンドに入ってきているということです。

 チャートで見るとトリプルトップ、「三尊型」の天井を付けています。短期サイクルの出発点は20年末の400㌦近辺ですが、半値押しを下回っているということで「半値押しは全値押し」という格言通り、出発点の400㌦近辺まで下落する可能性も出てきています。

なぜ、テスラ株は下落したのか?


 この波動通りに下落するようであれば「MAGA」、「FAGA」も頭打ちとなり、米国のニューハイテク相場も「第1幕」の終わりとなるかもしれません。テスラ株急落は、この予兆の可能性があり、要警戒です。

 では、なぜテスラ株が下落しているのか。米金利上昇と解説する人もいますが、私は米スマートフォン証券・ロビンフッド・ファイナンシャル、これを利用して投資する「ロビンフッダー」への規制の動きが影響していると見ています。

 そして、ロビンフッダーが投資してきたニューハイテク銘柄を組み入れてきた投資信託に対しても調査が入る可能性も出てきています。

 バイデン政権は、ロビンフッダーの動きに対し、「市場支配」、「株価操作」という懸念を持っているからです。

 3月4日付の日本経済新聞には「米SEC委員長候補『株取引無料の仕組み調査』ロビンフッドの『注文回送』問題視』という記事が出ています。

 さらに3月6日には「バイデン氏、米IT規制派起用 特別補佐官にウー氏」という記事が出ました。この中には「ウー氏は少数の巨大IT企業が支配するデジタル市場への批判で知られており、政権が規制強化を推進するとの見方が強まっている」とあります。

 これらの動きで、トランプ大統領登場から破竹の勢いで続いてきたニューハイテク相場の第一章が大詰めを迎えている可能性があります。

 3月6日の日経には、もう一つ気になる記事がありました。それは「米ハイテク株 乱高下ナスダック 一時、調整局面水準に」という記事です。事例として、ニューハイテク銘柄を組み入れたETF(上場投資信託)を手掛ける有名資産運用会社、アーク・インベストのこと
が書いてありました。
 
 20年のアークの運用は好調で、資金を集めていましたが、記事中では「運用資産総額210億ドル(2兆2000億円)超の旗艦ファンド『アーク・イノベーションETF』から断続的に資金が流出している」とあります。このETFの組み入れ銘柄の筆頭はテスラです。

 規制強化と、こうしたファンドからの弱気が台頭し、利益確定売りが出始めているのです。ファンドの換金売りが出ると、どうしても組み入れている銘柄を売らなくてはなりません。こういうファンドは最も比率の高い銘柄から売っていくわけですが当然、テスラが売られます。

 ファンドの換金売りが株安を招いて、株安がさらなるファンド解約を誘発するという悪循環になる可能性があります。日本の個人投資家も要警戒です。ここはキャッシュアップをして、テスラ株がどこまで下がるのか、ニューハイテク株相場の調整が一時的なものなのかを見極める必要があります。

コロナ禍が収まると株価が下がる?


 米国のニューハイテク株が天井を打っていなかったとしても、当面頭打ちで下落、調整局面に入っていくということになると、ここでビットコインが上昇してくると見ています。ニューハイテク株を売ったマネーが暗号資産に向かう可能性が高いのです。

 ただ、ビットコインの値動きも波乱局面が続くと思います。バイデン政権はいずれ、ビットコインなど暗号資産も規制に動く可能性があるからです。

 一方、以前から指摘しているように超金融緩和と財政出動は続きますから、株高、米国の景気回復という流れは変わりません。しかし、バイデン政権は巨大IT企業に対する規制、富裕層に対する増税、法人税の増税など、株価が下落する政策を打つかもしれず、買い材料と売り材料が交錯しています。

 バイデン政権はコロナ禍が収まった段階で、これらの規制や増税を実行する可能性があり、そうなると株価は下落します。この予兆としてのニューハイテク株の乱高下は始まっていますから、警戒を強める必要があります。世界のマネーバブルの潮目が変わり始めています。

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