2021-03-28

ミキハウスグループ代表・木村皓一の「世界の子供に笑顔と安心を!」(第6回)

木村 皓一 ミキハウスグループ代表

高校時代はリハビリに専念


 中学時代の新聞配達で足腰が鍛えられたせいか、右足が不自由ながらも木村は歩けるようになった。

 とにかく高校3年間は右足に筋肉を付けようと心に決めた。

「病院へ行って、電気を当ててもらっていた。病院は右足をゆっくり下ろせと。やはり、ゆがんでいるんでしょうね。それでも足首をひねってしまう。それが一番の悩みでしたね」

 歩きが順調になってくると、つい激しく動いてしまう。すると、どうしても自然と右足首をひねってしまう。ゆっくり歩くことを心掛けながら、リハビリに打ち込んだ木村の高校生時代であった。

関西大学・心理学の先生の講義にひかれて


 関西大学経済学部に進学してから、木村は心理学の講義に心をひかれたという。

「一番感銘を受けたのは、廣田先生という方が話をされる心理学の講義。心理学はものすごく勉強になりました」

 心理学のどういったところに興味を持ったのか?

「どう言ったらいいのかな。向こう側から見た僕だね。それを細かく説いてくれるんです」

 木村は、〝向こう側から見た僕〟という表現を使い、相手と自分の関係、相手は自分に何を求め、何を期待しているのかといった人と人の関係について思いを深めていった。

 中学時代に新聞配達をしていて、折り込みチラシを新聞に挾む手順を工夫したり、週刊誌の販売でどう購買客を増やすかとかを自分なりに考えて、それを実践して回った。

「ええ、中学のときに僕はものすごく、マーケティングらしきものに目覚めた。そうなんだと、経済を動かすのにマーケティングが大事なんだと折り込みチラシで教えてもらいました」

『ミキハウス』を高級ブランドに育てあげてきた木村は大学時代に受けた心理学に大いに啓発されたと語る。

「僕らは商品をつくっていて、お客様はどう考えているのか、一緒に働いている社員は何を考えているのか。物ごとをどう考え、会社のことをどう考え、僕のことをどう考えてくれているのかといったこと。絶えず相手の立場になって考えることが大事。もう心理学は勉強になりました、いろいろな意味で」

 この廣田先生の心理学の講義にはもう毎回欠かさず、木村は顔を出した。

「すごい人生のヒントをもらいましたよ」と木村はこの時の講義に感謝の気持ちを示す。

Pick up注目の記事

Related関連記事

Ranking人気記事