2021-03-26

低・脱炭素社会の実現へ 大阪ガスが再エネに積極投資

再エネに積極投資(写真はイメージ)

大阪ガスが2021年度から23年度までの3ヵ年を対象とする中期経営計画を発表。“低・脱炭素社会の実現”に向けて、再生可能エネルギーに1200億円を投資する方針を示した。

 石炭火力発電のLNG(液化天然ガス)転換によるCO2(二酸化炭素)削減に取り組むことを中心に、再生可能エネルギーなど保有電源の多様化を推進。海外では、北米での太陽光発電事業を拡大する他、国内では洋上風力や地熱発電など、新たな電源種案件を開発していく。

 これらの施策により、現在100万㌔㍗の再エネ発電設備を2023年に2.5倍の250万㌔㍗に拡大。北米地域における利益(営業利益と持ち分投資損益の合計)を約90億円(20年度見通し)から約4倍に拡大するとしている。

 社長の藤原正隆氏は「都市ガス原料の脱炭素化と再生可能エネルギーの導入による電源の脱炭素化によって、2050年のカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出実質ゼロ)実現を目指したいと考えている」と語る。

 今年1月より、藤原氏が社長に、前社長の本荘武宏氏が会長に就く新体制が発足した同社。

 藤原氏は2013年にスウェーデンの活性炭大手メーカー、ジャコビカーボンズを買収した際、子会社・大阪ガスケミカルのトップとして話をまとめた立役者。米スタンフォード大で修士号を取得しており英語も流ちょう。海外でシェールガス開発やLNG事業に力を入れる大ガスを率いる適任者と言われ、今後は再エネ事業の拡大に加えて、海外事業を伸ばそうとしていることは鮮明だ。

 また、同社は6月の株主総会で、元社長で大阪商工会議所の会頭をつとめる相談役の尾崎裕氏が取締役を退任する人事も発表した。2017年4月のガス小売り自由化から丸4年。自由化時代の大ガスの新たなかじ取りが始まろうとしている。

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