2021-03-17

【金融庁】「金融DX」の推進に本腰、民間からDX人材を公募

金融庁が、行政手続きのデジタル化やIT技術を駆使した金融機関の規制・監督手法の導入などを柱とする「金融DX(デジタルトランスフォーメーション)」の推進に本腰を入れ始めた。

 金融サービスが高度化する中、主要国の当局者の間ではITやデータ分析技術を活用してタイムリーで効率的に金融機関や金融取引を監督する「SupTech(Supervisory Technology=監督テクノロジー)」への移行を目指す動きが活発化している。

 金融庁総合政策局幹部は「証券のHFT(高頻度取引)における不正や、手口が日々巧妙化しているサイバー金融犯罪に、人海戦術のモニタリングではもはや対応し切れない。当局自身がDXで武装化することが不可欠だ」と強調する。

 実際、海外の主要な金融当局は金融行政のDXを一段と進めている。米連邦預金保険公社(FDIC)は昨夏からIT企業20社以上と組んで「革新的な行政ツール」の開発に着手。英金融行為監督局(FCA)とイングランド銀行(中央銀行)も銀行界と協力して定期報告のデジタル化によるコスト低減と、データ収集・分析の高度化を通じた金融監督の抜本的な高度化の両立に動き出している。

 ECB(欧州中央銀行)や仏銀行監督当局はその先を行き、銀行監督にAIを活用する本格的な「Sup Tech」の早期導入を目指している。

 金融庁も世界的な潮流に乗り遅れまいと必死の様相だが、最大のネックがDX人材の不足だった。そこで今年1月7日から即戦力を求めて民間から人材を公募した。年収水準が民間企業よりも低いにもかかわらず、相当数の応募があったようだ。

 今回の公募で成果が認められれば、さらなる外部人材のリクルートも検討する構えだ。

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