2021-03-15

ライバルはアップル、ソニー? なぜ出光が電気自動車なのか?

出光が電気自動車に参入する時代になった


産業構造の転換期にあって…



 世界中で開発が進むEV。日本政府も2030年代半ばまでに全ての新車販売をEVや燃料電池車(FCV)などの電動車に切り換える方針を打ち出し、地球温暖化防止の観点から今後、従来のガソリン車は急速に縮小することが予想される。

 そのため、近年は異業種も参入。電機メーカーのソニーがすでにEVの試作機を開発している他、米アップルや中国バイドゥ(百度)などIT企業も意欲を示しているという。

 そうした流れの中にあるのが、今回の出光によるEV参入。

 現在、石油元売り業界を取り巻く環境は厳しい。少子高齢化や若者の車離れによってガソリンの需要は減少。かつて全国に6万超あったガソリンスタンドは現在、約3万カ所。年間1千カ所ペースで減っている。

 世界的な環境意識の高まりから、CO₂(二酸化炭素)排出量の多い化石燃料に対する世間の目が厳しくなるばかり。出光にとっても、石油に代わる事業の育成が急務だ。

「EVはエネルギーを貯蔵するバッテリーそのものであり、分散型エネルギーデバイスのキーになっていくと思われる。今回ご提案するEVはそうしたニーズに合致するものであり、多くの方に手軽にご利用いただけるよう、シェアリングやサブスクリプションをはじめとする様々なサービスを提供したい」と語る木藤氏。

 出光のEV参入は、産業構造がガラリと変わろうとしていることを如実に示している。

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