2021-03-11

ミキハウスグループ代表・木村 皓一の「世界の子供に笑顔と安心を!」(第3回)

総ガラス張りで、明るくデザイン性が良い本社。洒落た感じのビルである



黒川紀章もミキハウスの思いを理解して…


 設計を依頼した黒川紀章(1934―2007)は日本を代表する建築家。その頃、黒川は国立民族博物館、各地の県庁舎や美術館、有名ホテルの設計などを手掛け、多忙を極めていた。

 木村は突然、黒川を訪ね、「新しい本社の設計をお願いしたいんです」との気持ちを伝えた。

 しかし、「いま、各地の公的な建物の依頼が多いので……」と黒川はその申し入れを断った。

 ここで諦めないのが木村の真骨頂。「最高の子供服を世界中の子供たちに届ける拠点にしたいんです。ぜひご協力いただけませんか」と木村は丁寧に、熱心に自分の気持ちを伝えた。しかし、二度目の要請も断られた。

 それでも木村は諦めない。三度目に顔を合わせた時、初めて黒川の顔の表情が緩んだ。

 こうして「大阪府八尾市若林町1―76―2」に建つ瀟洒な本社ビルがお目見えした。世界中の関係者たちが集う拠点がここに誕生したのである。

 ここから日本国内はもちろん、世界中の子供たちに向けて、高品質のベビー服・子供服を届け、また子育て・キッズ教育のための情報発信をしていく。

 メイド・イン・ジャパンの生き方をさらに踏み固め、創業以来の経営理念を社員や取引先、そして顧客といった関係者全員で共有し合うという意味でも、黒川紀章設計による本社ビル築は意義深いものとなった。

(敬称略 「財界」3月10日号から)

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