2021-03-06

三井住友DSアセットが新投信、ドコモの位置情報を投資に活用

「従来、投資判断に活用されてきた経済統計や財務情報など、一般的な公開情報では超過リターンを得ることが難しくなっていた」と話すのは、三井住友DSアセットマネジメント運用部シニアクオンツアナリストの川代尚哉氏。

 
 2020年12月、三井住友フィナンシャルグループの運用会社・三井住友DSアセットマネジメントは「オルタナティブ・データ」を活用した投資信託を設定。オルタナティブ・データとは位置情報やテキスト情報など整った形になっていない「非構造化データ」のことを言う。

 従来は活用が難しかったが、テクノロジーの進展、分析を担うデータサイエンティストの存在などで活用が可能となり、「新たなリターンの源泉」(川代氏)として注目される。

 今回、活用するデータはNTTドコモが持つ位置情報を活用した人口統計。あるエリアの商業施設エリアや工場用地の人口の増減で、個人消費や企業の生産活動の動向を推測できる。日米の株式や債券に分散投資をするが、従来よりも高いリターンが得られるという試算が出ている。

 低金利下で、どの運用会社もリターンを得るための差別化を模索している。他社もオルタナティブ・データを活用する可能性はあるが、同じデータを使っても、それをどう分析するかでパフォーマンスが変わるため、データを扱う力が、運用成績に関わる時代になっている。

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