2021-03-09

規制・構造改革に身を投じて約20年 フューチャー会長兼社長・金丸恭文の「国の制度設計にアーキテクチャーを!」


徹底した対話で農業改革を後押し

 金丸氏は、菅政権の下で発足した『成長戦略会議』(委員8人で構成)のメンバーでもある。

 菅政権では、『経済財政諮問会議』を経済改革の司令塔にして大きな方向性と重要課題を示し、それに沿って『成長戦略会議』が具体的に改革の道筋を決めていくという形を取る。

 金丸氏は、安倍晋三前政権下で、『規制改革推進会議』で議長代理を務めたり、『未来投資会議』のメンバーとなって、日本全体のビジョンづくりに参画してきている。

 規制改革がらみでは、農業ワーキンググループ座長(2016年)も務め、農業改革の方向性とビジョンづくりに奔走。

 農業生産額の対GDP(国内総生産)比率は1%(約5兆円)。農業人口は減り、農家の平均年齢は67歳と高齢化し、後継者不足に陥っている。どう農業の生産性を高めていくかという深刻な課題に直面。

 そうした中にあって、金丸氏は座長として、JA全中(全国農業協同組合中央会)を頂点とする農業組織の改革に取り組んだ。農業協同組合法、農地法、農業委員会改正に取り組んだが、その手法は相手とのていねいな対話戦略。

 人口減、少子化・高齢化の流れの中で、日本市場は縮小ぎみ。これから農業はどう生き抜くのかを考えた場合、輸出戦略が不可欠。海外市場の開拓がどうしても必要になってくる。

 日本の農産物の品質は非常に高い。海外でも「おいしくてすばらしい」という評価があるのに、輸出額は伸びてきているとはいえ、まだ約1兆円。これを2030年までに5兆円に持っていこうという現政権の戦略。

 そうした方向性の中で、金丸氏はワーキンググループ座長時に、農業生産法人に対する民間企業の出資限度額を25%から50%に引き上げる考えをまとめあげた。これも日本農業の輸出競争力を引き上げるねらいだ。

本誌主幹・村田博文

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