2021-02-25

オフィス空室率は上昇、湾岸のタワマンは人気、斑模様の不動産市場

三井不動産レジデンシャルが開発を進める「パークタワー勝どきミッド/サウス」の完成予想CG

マンションは郊外で「二極化」の傾向も


2021年2月10日、オフィスビル仲介大手の三鬼商事(東京・中央区)が最新のオフィスビル市況データを発表した。

それによると1月の都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷区)の平均空室率は4・82%で1年前の1・53%からかなり上昇している。この間、コロナ禍で中小企業がビル内で減床をしたり、オフィスの縮小移転を行う動きを見せてきた。

当初、大企業は中長期でオフィス契約をしていることから、なかなか動きがなかったが、20年後半から徐々に減床、縮小移転の動きを見せ始めている。

また、港区、渋谷区はIT企業が集積、テレワークが浸透していることもあってか都心5区の中でも空室率が上昇している。

21年、22年は新築ビルの稼働が少ないが、23年〜26年にかけて竣工が続くため、22年、23年には、その営業が始まる。その頃のコロナ禍の状況次第で、さらなる空室率上昇、オフィス賃料下落の懸念はある。

一方、好調を維持しているのが都心のマンション。例えば三井不動産レジデンシャルが手掛ける東京・中央区の「パークタワー勝どきミッド/サウス」は最高販売価格3億3980万円という物件だが、20年11月に販売を開始し、販売戸数333戸全戸に申し込みがあった。

モデルルームの予約が取れないほどの人気ぶりで、三井不動産関係者も「想定以上の人気」と話す。勝どき駅直結の大規模複合再開発という利便性、資産性が人気の理由で、共働き世帯や周辺物件からの買い替えが目立つという。

さらに「コロナで、より広い、より利便性の高い物件を求める動きが強まり、それがこの物件の人気を後押しした」と三井不動産関係者。コワーキングスペースを設けるなど、新たな働き方にも対応。

首都圏では、東京23区内の物件は引き続き好調、周辺の千葉や埼玉でもターミナル駅近くの物件は好調な一方、郊外で特徴のない物件は苦戦するなど「二極化」も始まっている。オフィス、住宅とも、まさに斑模様という不動産市場である。

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