2021-02-25

双日が「ロイヤルホスト」「てんや」運営会社の筆頭株主に

菊地唯夫・ロイヤルHD会長と藤本昌義・双日社長(右)

「財務基盤の早期改善と、今回のコロナによって大きく起こる変化への対応を、双日のご支援をいただいて乗り切っていきたい」

こう語るのは、ロイヤルホールディングス(HD)会長の菊地唯夫氏。

 総合商社の双日が、「ロイヤルホスト」や「てんや」を展開するロイヤルHDと資本業務。双日は第三者割当増資を引き受け、ロイヤルホールHDの普通株式13・30%などを100億円で取得する。双日はロイヤルHDの筆頭株主となる見通しだ。

 ロイヤルHDは国内外で739店舗(2020年12月末)を展開する外食チェーン大手。ただ、足元では新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛などの影響もあって、20年12月期は275億円の最終赤字に転落。財務基盤の立て直しが喫緊の課題になっており、双日から出資を受ける他、みずほ銀行などの金融機関からも60億円の出資を受ける考え。

 今回の提携により、ロイヤルHDは双日がもつ国内外のネットワークを活用し、食材や資材などの調達支援や物流面での改革が期待される。また、購買データなどのデジタルデータを活用し、集客や顧客満足度の強化を図るという。

 ロイヤルHDは機内食事業を手掛けていることも、この提携を後押しした。双日は米ボーイングの販売代理店として航空機の販売を行うなど、60年以上にわたり、航空関連ビジネスを展開してきた。近年は空港運営事業やベトナムなどのアジアで食品流通事業を強化しており、海外事業の拡大を狙っている。

 双日社長の藤本昌義氏は「当社は機械や鉄鋼などに強みを持っていたが、現在は非資源分野に軸足を移している。当社のネットワークを使い、東南アジアでコンビニや総菜などのビジネスを展開したい」と語る。

 近年、ボラティリテー(変動率)の激しい資源ビジネスからの依存度を下げ、安定した成長が期待できる非資源分野の強化を図る総合商社。双日によるロイヤルHDへの出資は、自らの経営安定化を図る目的もありそうだ。

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