2021-02-04

働き方が”メンバーシップ型”から”ジョブ型”へ移行する中、キャリアチェンジ、ジョブチェンジをどう図っていくか

自分に合ったキャリア、仕事をどう見つけるか

コロナ禍は働き方も大きく変えた。今後10年かけて起きると思われていた変化が一気に押し寄せているからだ。

テレワーク(在宅勤務)だけでなく、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)で作業を自動化するなど職場のDX(デジタルトランスフォーメーション)も加速。また、会社が社員に求める働き方も〝メンバーシップ型〟から〝ジョブ型〟へと変化している。

その結果、働く側にも〝ジョブチェンジ〟や〝キャリアチェンジ〟が求められている。だが、50代近くになってジョブチェンジを求められても、対応できる人はそう多くない。

パーソルホールディングス社長CEOの水田正道氏は「AIなどテクノロジーを使って、新たな仕事ができるようにすることが大事」だと語る。

例えば、コールセンター業務はスマートフォンを使いこなせる必要があるため、シニア層には難しい業務と言われているが、「AI(人工知能)を活用したサポート」で仕事ができるようにする形だ。

だが、ジョブ型が増えるにせよ、問題は、必要な再教育コストを誰が負担するのかということ。国か、企業か、個人か、議論を詰めるには時間がかかる。

こうした中、パーソルはできることから始めようと、グループ内で他の業務を体験する「ジョブトライアル」を開始。最大月8時間、3カ月、別の部署の業務を体験し、今の仕事を続けながら「キャリアアップを目指すか、キャリアチェンジを図るか」、今後の方向性を決める機会を提供する取り組みだ。

パーソルは「グループビジョンである『はたらいて、笑おう。』を提供するため、まず社員のエンゲージメントを高めようと、2016年から『キャリアチャレンジ』など様々な取り組みをしてきた」(グループ人事本部人事企画部 部長の山崎涼子氏)。

社内公募制の「キャリアチャレンジ」では不合格者が出てしまうため、「ジョブトライアル」で多くの社員が社内の様々な仕事を体験できる機会を作った形だ。

「部署ごと、会社ごとの価値観があるので、交流を通じ、学びを得て、その経験を自分の部署で活かしてもらいたい」と山崎氏は話す。

参加者からは「コロナ禍で体験が限られる中、新たな体験ができるので、一般的な業務から離れてリフレッシュできている」と言う声や「今いる部署では通用したけれど、まだまだ足りない部分があると実感した」など“気付き”の声も上がっているという。

事務作業の自動化が進む中、人材サービス会社・パーソルに求められることも変化している。

水田氏は「人が介在する意味を突き詰めて、その価値を磨くこと、テクノロジーの活用、そして再教育の3つを掛け合わせて『はたらいて、笑おう。』のビジョンを実現していきたい」と語る。

水田正道・パーソルホールディングス社長CEO

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