2022-11-25

【株価はどう動く?】日本の個人マネーは新興株へ、「日本版ニフティ・フィフティ相場」到来か?

FRBの利上げは市場に織り込まれた?


 本誌発売時には判明していますが、2022年11月8日には米国の中間選挙の結果が出ます。原稿執筆時の情勢は、下院は共和党、上院は接戦と伝えられていましたが、果たして共和党優勢の結果となるかどうか。

【あわせて読みたい】【株価はどう動く?】FRBの利上げはいつまで続くか、日本は来年「インフレ、円安、株高」に?

 共和党が議会で優勢になれば、元々大企業、ウォール街寄りですから、経済政策では現在のFRB(米連邦準備制度理事会)の金融引き締め、利上げにはネガティブでしょう。すでに一部議員からは「利上げによって雇用が失われている」といった批判の声も出ています。

 これは「後門の狼」、つまりリセッションが顕在化しつつあるという表れではないかと見ています。選挙結果が共和党優勢ならば、「インフレ退治よりも景気、雇用が大事だ」という声が強くなるのではないかと思います。

 FRBは政策的に独立しているとはいえ、世論に押されて、金利のピークアウトが前倒しになる可能性があります。

 外交面では、ウクライナ戦争に関する莫大な支援は修正されることになるでしょう。これに加えてコロナ対策費は、インフレの原因になっていると見られているからです。

 今の株式市場の「高値波乱」は、利上げピークアウト近しという観測を受けて、ニューヨークダウやナスダックは大幅な上昇となり、直後にイエレン財務長官など、政府高官が「利上げを緩めるつもりはない」などといった発言をして大幅下落という展開が繰り返されてきました。この動きに終止符が打たれる可能性があります。

 そのためには、今年矢継ぎ早に続けてきた利上げに、ある程度の効果が出て、インフレ率が和らいでいる必要があります。例えば5~6%にまで和らぐような「ソフトランディング」ができるかどうか。ただ、FRBの年初からの利上げを、マーケットはかなり織り込んだのではないかという見方も出てきています。ですから、今後株価が上昇してくるかもしれません。

 前回指摘した通り、中間選挙は、米国の政治・経済の転換点になる可能性があります。当然、マーケットにも影響があり、米国の株式市場の流れを変えます。また、民主党政権における「GAFAM」などの大企業、富裕層への増税路線が修正されます。

 これによってテスラやアップル、マイクロソフトといった、これまで下落してきた企業の株価が切り返してくることが期待されます。年末にかけて下げ幅の半値戻しといった、下げ過ぎの反動高も予想されます。

 日本の株式市場も、すでにやや底入れ感が出てきています。日経平均株価は、昨年8月の安値から見ると「逆三尊」、「トリプルボトム」、今年の3月9日、10月3日の安値から見ると「ダブルボトム」を形成しています。こうなると、米国の株価が大きく下げても、日本株はそこまで下がりません。

 米国が利上げを織り込んで年末高という動きになれば、日本もそれに連動して上がることになり、昨年2月、9月の3万円台の大台に迫る動きになることも予想されます。

Pick up注目の記事

Related関連記事

Ranking人気記事