2021-01-22

コロナ危機、脱炭素の中で、次の投資をどう進めるか── 新しい経営の仕組みづくり 不安の時代を忍耐強く! 求められるリーダー の『覚悟』

GINZA


メイド・イン・ジャパンにこだわる三起商行

「ネット通販でこれだけ強い反応があるとは」と高級子供服のブランド『ミキハウス(mikiHOUSE)』で知られる三起商行社長の木村晧一氏。木村氏は1945年=昭和20年生まれで71年(昭和46年)に26歳で起業。以来、子供服一筋。

 創業から目指したのは、『子供服のロレックス』。高級時計のロレックスのように、精微でデザイン的に秀れた子供服をつくろうと、独自の道を開拓。

「日本でつくったものを世界に売る」とメイド・イン・ジャパンにこだわり続けてきた。年商は200億円。

 売上は百貨店販売が全体の7割を占める。百貨店内の店舗を含む直営店は国内150店。コロナ禍でインバウンド客は1月末からバタッと途絶えた。

 大打撃を受けたが、ネット販売が予想外に好調。創業以来、質のいい子供服をつくることに徹し、地道にていねいにブランド(miki HOUSE)をつくりあげてきた効果が今回のコロナ危機で生きた。

 子供服1着が3万円から5万円とする同社の製品はプレゼント向けとして人気が高い。

 特に、中国をはじめ、海外からの注文が舞い込む。中国では、富裕層が店舗オーナーとなって、「ミキハウスの店を開かせてほしい」との要請が多い。20年は武漢でもオープンした。

 今、海外店舗は15か国で75店舗。今年は100店舗に持っていく予定。モノづくりは海外でという流れとは距離を置き、メイド・イン・ジャパンで〝いいモノをつくる〟という木村氏のこだわり。


 高品質の〝いいモノ〟は国境を越えて、ニーズが広がる。
 インバウンド客が途絶え、高級子供靴20万足が在庫で貯まり続けた。昨秋、インターネット販売で〝シューズフェア〟と銘打ったところ、数日間で完売。自分たちのブランドの魅力をネットで掘り起こしたということだ。コロナ危機下、あちこちで知恵の掘り起こしが進む。

本誌主幹・村田博文

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