2021-01-22

コロナ危機、脱炭素の中で、次の投資をどう進めるか── 新しい経営の仕組みづくり 不安の時代を忍耐強く! 求められるリーダー の『覚悟』

GINZA

2021年(令和3年)は、新しい仕組みづくりが国や企業、そして個人の各領域で大きなうねりを伴って進みそうだ。「一人ひとりが強靭で柔軟性に富む能力を身につけていかないと」と某識者はいろいろな変化や危機に対応できる企業体質づくりと個人資質の向上が大事と強調。2020年はコロナ危機が襲来し、国民生活に大打撃を与え、企業にもマイナス要因を与えた。一方で、デジタル化のプラス要因もあり、リモートワーク・在宅勤務の浸透で新たな需要も起こり、企業経営も増益企業と減益ないしは赤字転落企業と明暗が分かれる。コロナ危機は打撃と同時に新しい気づきも与えてくれた。ワクチン接種が始まり、治療薬開発が進むなど明るい兆しが見えるが、当分、危機は続く。当座を耐え抜き、10年後、20年後の世界を見据えて、どう企業変革を進めていくか。ここは文字どおり、リーダーの『覚悟』が求められている。
本誌主幹 文=村田 博文



コロナ危機下でも若い芽は育つ!

 2021年(令和3年)の干支とは十干が『辛(かのと)』で十二支が『丑(うし)』。『辛』は痛みを伴う状況ながら、実が地面に落ち、次世代の種を大地に還す状態を意味する。

『丑』は、芽が種子の硬いカラ(殻)を破ろうとする状態を指す。芽吹きの直前でまさに命の息吹きを感じる年である。

 コロナ危機に見舞われて1年が経ち、今年は2年目を迎える。わたしたちは身の回りの〝硬い殻〟をどうやって破り、また、痛みを覚悟しながらも、土を耕していかに実が結ぶように作物を育てあげていくかという課題を抱える。

 苦難や痛みは伴うが、それに耐えて、自分たちのやるべき仕事をいかに実践、遂行していくかという2021年(令和3年)になりそうだ。

 国内景気も昨年4―6月期のドン底から回復してきたが、コロナ禍第3波の襲来で感染者が急増、行き先不透明感が強まる。

 今、企業業績は明暗を分ける。デジタル関連や環境関連の企業業績は好調。

 ソニーの関連会社で医療従事者向け情報サイトのエムスリー(2000年設立、04年に株式上場)はこの1年間に株価は最高値をつけ3倍に高騰。創業20年の若い会社だが、時価総額も6兆6000億円強で親会社ソニー(時価総額約13兆円)の半分を占めるほどの好業績。

 ファーストリテイリング(ユニクロ)、キーエンス、日本電産、信越化学、ダイキン、東京エレクトロンなども最高値を更新し市場から高く評価されている。

 一方、最安値をつけた製鉄などの素材、エネルギー関連もあり、2極化となり、明暗を分けるコロナ危機である。

 一方、危機にあっても、経済人の士気は衰えていない。

 年間の新規公開(IPO)数も2020年は93社。これは07年の121社に次ぐ、数であり、若い企業経営者のモラール(士気)はすこぶる高い。若い芽もコロナ危機の中で育っている。ただ、危機2年目の今年も緊張感は続く。国、企業、そして個人の危機管理の連携で

本誌主幹・村田博文

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