2022-05-25

【株価はどう動く?】日米の株価が「逆クロス」? 三番底を入れて日経平均は反転上昇となるか

NYダウの株価がついに下落局面に?


 前回、米国の株価は40年に及ぶ上昇が終わり、天井圏にあって、長期波動ではいつ下落してもおかしくない状況だと指摘しました。

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 目処としては金利が底入れしてから約1年後には株価が天井を打つというのが40年前の金利と株価の波動です。米国の金利は2020年8月に底入れしていますから、約1年後の21年11月にナスダックはすでに天井を付けています。なので、ニューヨークダウは、いつ天井を打ってもいい状態になっていました。

 しかし、前回指摘したように米国は世界のイノベーションのトップランナーで、企業は業績が伴っています。ですから波動的には天井圏でも、高値圏で頑張っている、という状況が続いてきました。

 しかし、ここに来てついにNYダウも下落が始まりました。分岐点はゴールデンウィーク明け頃にあったと見ています。

 短期サイクルで見ると、NYダウは21年11月8日の3万6565ドルで一番天井、22年1月5日の3万6952ドルで二番天井を付けた形になっています。その後、3万5000ドルから3万6000ドルという高値圏で頑張ってきたわけですが、ゴールデンウィーク明け頃から本格的な下落局面に入ってきました。

 相場の波動には上昇、下降、横ばいの3種類がありますが、ニューヨークダウは天井を付けた後、高値圏でしばらく横ばいを続けましたが、今は下降、下落の局面に入ってきたのです。

 そのきっかけは、やはりFRB(米連邦準備制度理事会)が実行した、22年ぶりの0.5%という大幅利上げです。さらに6月にも0.5%引き上げる見通しとなっていますが、これを嫌気して、高値を維持してきたNYダウも耐えきれずに下落し始めました。

 株価は一旦、下落を始めると底入れするまでは戻っては売られ、売られては戻る展開となり、安値水準を切り下げていきます。その「底」はまだわかりませんが、下落に転じた一つのシグナルが、先述した短期サイクルでの一番天井、二番天井、ダブルトップの形成です。

 その次に、22年のニューヨークダウの安値は2月24日の3万2272ドルでしたが、5月12日には3万1228ドルと、この水準を下回ってきました。こうなると、一旦戻る局面はあっても、また売られて、さらに安値を切り下げるという展開になると見ています。

 これは短期の動きですが、中長期では今回の上昇波動の出発点は20年3月23日の1万8213ドルのコロナショックの安値です。この出発点から22年1月5日の高値、3万6952ドルまで上昇したわけですが、この上げ幅の3分の1押しは約3万ドルになります。

 ですから3万ドルくらいまでは下落すると見ていますが、3万ドルを割れると半値押しなど、かなり厳しい展開になる可能性があります。

 ニューヨークダウは下落局面に入りましたが、ナスダックは21年11月22日の1万6212ポイントで一番天井、12月28日の1万5901ポイントで二番天井を付けて、すでに下落局面が続いています。22年5月12日には1万1108ポイントと、3月に付けた安値を大きく下回るなど、下値を切り下げて底値模索を続けています。前述のように、頑張っていたNYダウもついに後を追う形になりました。

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