2021-01-05

「財界オンライン」開設にあたって

『財界』誌の信条は「経営は人なり」

『経営は人なり』が「財界」誌の信条です。人とは何か?論理や数字を根拠にした科学などを駆使しながらも、包容力のある、それこそ人間的な要素を持った存在。

 こう言えば人間的要素とは何か?という問いがまた生まれます。最近、リーダーの条件として先見力、決断力、実行力に加えて、“人間力”という言葉がよく使われます。なかなか定義しにくい言葉ですが、この人間力という言葉の中に、わたしたちは何かしらホッとしたものを感じます。

 利害の対立するもの、あるいは矛盾するものを包括的に解決するのが“人間力”ではないでしょうか。

分断・分裂が起きている今……


 今、世界は米国と中国の対立が言われ、資本主義対国家資本主義の対立や人種的差別といった問題が存在します。こうした対立や矛盾をどう解決するか。実はこうした相反する問題を解決し、ソリューションを見出していくという思考は日本が一番得意とするところではないかと思います。

 AI(人工知能)と人との関係、リアルとバーチャルの融合、あるいはAR(拡張現実)とVR(仮想現実)という問題をどう共存させていくかという今日的課題をも、正・反・合の精神で解決していくときです。

正解のない時代にあって


 歴史を振り返れば、欧米列強がアジア、アフリカに進出、植民地として支配している時代に日本は明治維新(1868)を迎えました。以来150年、欧米に追いつき追い越せで近代化を急ぎ、「殖産興業」、「富国強兵」で列強の地位に就くことを目指しました。

 日清・日露戦争で勝利し、その後、満州事変、日支事変を経て太平洋戦争に突入(第2次世界大戦)に突入、敗戦国となりました。維新から敗戦(1945)まで77年、そして戦後から今日まで75年という歳月が流れました。次の70年余をどう生き抜くか――。

 今、コロナ危機に日本はもちろん、世界中が悩まされ、経済的にも社会的にも大打撃を受けています。それこそ100年に1度と言われる感染症の危機。真価が問われるのはこれからです。

 多くの経済リーダー、そして医学などサイエンス(科学)のリーダーにあっても、いかなる時でも諦めず、解決策を見出そうという人たちがいます。危機を克服するのも、やはり「人」です。危機を経た後、どういう生き方・働き方を選択していくか、まさに人間力が問われています。

 『財界』誌は読者とともに悩み、読者とともに考え、そして読者とともにソリューションを考え抜いていこうと思います。よろしくお願い申し上げます。

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