2020-12-29

DeNAがリベンジ! ライブ配信事業で世界に再挑戦

DeNAのライブストリーミングサービス『Pococha(ポコチャ)』

「コロナのタイミングでライブストリーミング事業の『Pococha(ポコチャ)』が力強い成長をしています」─。
 こう語るのは、ディー・エヌ・エー社長の守安功氏。

 コロナ禍で動画配信サービスが成長しているが、動画と言っても、ネットフリックスのようにプロが作った作品を有料で配信するものから、YouTubeのように個人が無料で配信するものなど様々なタイプがある。

 DeNAのポコチャはライブコミュニケーションアプリで、動画を配信する〝ライバー〟と視聴者がコメントをしたり、〝ギフティング〟と言って好きなライバーにバーチャルアイテムをプレゼントするなどコミュニケーションしながら動画を楽しむサービス。
 20年に入り、利益の出る事業になり、21年3月期第2四半期の売上高は前年同期比181%増の成長事業となっている。ライブ配信サービスは中国が世界の先頭を走っている。

 従来のITサービスは欧米発で、英語圏で一気に広がり、グローバルサービスになるものが多かった。だが、最近は、欧米ではなく、中国企業発のサービスが世界をリードしている。
 その意味でも「中国のトレンドを踏まえて次のサービス展開を考えている」と守安氏は語る。また、「中国国内ではレッドオーシャン化していても、中国以外の地域に出ていけば、これからの市場なので、われわれにもチャンスがある」。
 中国のサービスが海外で普及しにくい現状は、日本企業が海外でサービスを普及させるチャンスにもつながるというわけだ。

 DeNAはかつて海外進出を図り、米国のゲーム会社を買収したが、うまくいかず清算した。
 GAFAMなど米国IT企業の独壇場となっているITサービスだが、DeNAは中国という特殊な市場で生まれたサービスに独自の味付けをし、それを世界展開していく戦略。「ライブ配信分野で国内だけでなく、世界を相手にビジネスをしていきたい」と意欲を見せる。

DeNA 守安功社長

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