2022-04-21

35期連続増収増益の『ニトリ』 好調の理由と今後の課題は?

巣ごもり需要の反動減にどう対応するか



 

「30年前の1992年2月期と比較して、店舗数は38倍、売上高は46倍、経常利益は118倍となった。創業期から様々なチャレンジを行い、“製造物流IT小売業”というビジネスモデルを生み出したことで、このような結果につなげることができた」と語るのは、ニトリホールディングス社長の白井俊之氏。

 ニトリが2022年2月期の連結業績を発表。売上高8115億円(前年同期比13・2%増)、経常利益1418億円(同2・5%増)と、35期連続で増収増益となった。

 体圧分散性に優れたリクライニングワークチェア『フォリスト』などの販売が好調だったことに加え、アプリ会員数が約400万人増加し、店舗とEC(電子商取引)を併用する利用者が増えたことも大きい。

 ただ、今回の決算をよく見ると、同社の課題も見えてくる。

 それは主力のニトリ事業で既存店売上高が前年比90・9%と1割近く減少したこと。ニトリ事業全体の売上高も6792億円と前年に比べて5・3%減少しており、子会社化した島忠事業がなかったら、減収になっていたことになる。

 これには会長の似鳥昭雄氏も「前期は厳しかった。前々期が毎月50%近くアップしていたので、予想していた以上の反動があった」と語り、巣ごもり需要に沸いた1年前、2年前の反動減が響いたようだ。

 今後も島忠に続き、「チャンスがあればM&A(合併・買収)も考える」という似鳥氏だが、目の前には課題も山積。巣ごもり需要の反動減にどう対応するか、円安や資源高・原材料高・物流費の高騰にどう対応するかは大きな課題だ。

「ウクライナの影響がどうなるかは分からないが、消費は昨年並みの景気が続くと思うので、その中でシェアを取り、既存店の売り上げを増やしていきたい。そのためには、日本にない商品を開発し、今まで以上に多く出して、お客様に提案していくしかない。その意味では、今年はチャンス」と語る似鳥氏。

 これまでも多くの逆境を乗り越え、35期連続で増収増益を達成してきたニトリ。今こそ、同社の底力が試されている。

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