2022-03-23

PR

「2025年の崖」を見据え、「攻めのIT」支援で飛躍期すーJSOLの挑戦

JSOL社長 前川 雅俊(Maekawa Masatoshi)

 ICT(情報通信技術)によるコンサルティングや、システム構築・運用などを手掛けるJSOL(本社・東京都中央区、前川雅俊社長)が、節目と位置付ける2025年に向けて飛躍を期している。今後予想されるデジタルトランスフォーメーション(DX)投資の拡大や、ICT業界に立ちはだかる「2025年の崖」問題などを見据え、「攻めのIT」への取り組みを加速する。



「筋肉質の会社」に体質改善も、立ちはだかる「2025年の崖」

 JSOLは、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)傘下の日本総合研究所から2006年に分社し、一般企業向けのICTソリューションを提供する日本総研ソリューションズとして設立。2009年にNTTデータの資本が入り、社名をJSOLに変更した。

 前川氏は、NTTデータフロンティアから2017年6月にJSOL社長に就任し、この5年間で「筋肉質の会社」への体質改善を牽引してきた。その一つとして「営業利益率10%構想」を掲げ、利益改善のための様々な施策を展開。2017年度は営業利益率6・0%であったのに対し、2021年度には10%超、売上高も400億円と過去最高益を達成見込みである。「営業利益率10%は、ICT業界で成功企業ともいえる、いわば登竜門。以前は粗利が出ればいいという状態だったが、営業利益で判断できる会社になった」と前川氏。

 一方で社員のエンゲージメント向上にも心を砕いてきた。職場環境や制度面といった「働きやすさ」はもちろん、「働きがい」の向上にも注力し、GPTWジャパンが主催する「働きがいのある会社ランキング」では2021年までに3年連続のベストカンパニー入り。社員が活き活きと働くことが良い仕事を生み出し、それが顧客の信頼や評価に繋がり、結果的に業績にも表れるという好循環経営に取り組んできた。

 しかし、企業のDX需要や投資が拡大していくなか、ICT業界の競争は厳しさを増していく。経済産業省が2018年にDXレポートで指摘した「2025年の崖」は、DX推進が遅れれば2025年以降、年間12兆円の経済損失が発生し得るというもの。既存システムやソフトウエアが時代遅れの「レガシーシステム」となるほか、同システムを支えてきたエンジニアが2025年までに定年を迎え、システム見直しなどのICT人材が枯渇することなどが原因だ。さらに、従来ICTベンダーにシステム構築・運用を一任していたユーザ企業が社内システムを自ら運用するいわゆる「内製化」が進み、人材確保はますます困難になると予想される。

 こうしたICT業界を取り巻く環境を見据え、「私たちのお客様が、その業界で更なる成長を遂げ、ナンバーワンになっていただけるよう、〝攻めのIT〟で支援する。それが社会全体への貢献に繋がれば」と前川氏は語る。従来の、無駄をなくし効率化を図る「守りのIT」に対し、「攻めのIT」では、DXやデータ駆動型のAIを活用し、顧客に新たな価値を提供していく。



躍進に新たな武器「理研数理」設立

 同社の強みの一つはシステムインテグレーション(SI)であり、製造業から流通・サービス業、金融機関、公共分野など幅広い業界の顧客に対して、ICTコンサルティングからシステム構築・運用にいたるまで、一気通貫でトータルソリューションを提供している。もう一つの強みである、コンピューターが製品の設計・製造を支援するCAE(Computer Aided Engineering)分野では、自動車の衝突・乗員安全解析ソリューションなど生産技術に関するシミュレーションを行っている。特に電磁界解析ソフト「JMAG」は国内の自動車メーカーはもちろん、大手海外企業にも導入し、世界で戦うパッケージである。CAEは実際に物を作らずとも、素材や構造などからシミュレーションで様々な現象を類推できるカーボンニュートラルそのもので、社会貢献やお客様のグリーン経営にも繋がる。ものづくりの支援でも確かな評価を受けており、今後の躍進の足掛かりとしてより注力していく。

 また同社は2020年10月に、理化学研究所と理研鼎業との合弁会社として「理研数理」を設立した。理研数理は、国立研究開発法人と民間企業が共同で設立する最初の事業会社であり、注目度は高い。産業界とアカデミアをデータサイエンスで結びつけることで新たな価値創出の推進を目指すもので、スーパーコンピューター「富岳」をはじめとする数理の頭脳を活用し、民間企業向けのソリューションに繋げることが狙いである。

 前川氏は、「お客様がお持ちのデータに弊社や他の会社が持っているデータを組み合わせることで、全く違う価値のあるデータが導ける。それが私の考えるDX」とし、同社のブランドメッセージ『今はない、答えを創る。』にも通じると語る。

 

認知度アップ、新本社への移転を転機に

 攻めのITに打って出るにあたっては「企業規模の拡大」も急務だ。まずは2025年に向けて、飛躍の原動力となる「人財」を、現在の約1200人から1~2割増しにと意気込む。

 しかし、「2025年の崖」に向けた人材確保の競争に加え、「BtoBビジネスを主体とする企業であるが故の認知度不足が課題」と前川氏。人目に付きやすいJR品川駅のコンコースや新大阪駅などへデジタルサイネージ広告を出すなど、キャリア採用の強化にも力を入れ始めている。

 また、2022年秋には、中央区晴海から千代田区九段南への東京本社移転も予定しており、持続的な企業成長を見据えた一つの大きな転機となる。「全員の出社を前提とはしない。新しい働き方、多様な働き方を見出すきっかけにしたい。新オフィスへは3路線を利用でき、最寄駅からも徒歩1分とアクセスも非常に良い。採用にもいい影響が出れば」と期待を語った。

 同社は、2025年度までに、「営業利益率10%は維持し、売上高500億円」を目指す。立ちはだかる「2025年の崖」を克服し、攻めのITでICT業界の雄を目指すJSOLの挑戦は続く。



logo
word