2021-11-20

【株価はどう動く?菅下清廣氏に聞く】岸田首相が、米株高を導いたバイデン大統領のようになる条件とは?



 もし予想通り年末高なら、22年も株高トレンドが続きそうです。その株高を牽引するセクターは言うまでもなくデジタル関連、環境・グリーン関連です。

 そして、前述のように岸田政権が来年の参院選を制するなら、それを受けて日経平均は来年の年央にも1989年末の3万8915円を目指す展開になると予想します。

 ただし、仮に年末高になった場合、来年の3月くらいまでに一度、株価の「しゃがみ込み」、調整局面があるかもしれません。株価はしゃがみ込まないと、その次の跳躍がないからです。日米ともに調整局面があった場合には、そこが絶好の買い場になります。

 懸念材料は今回、甘利明氏が自民党幹事長を辞任したことです。甘利氏は日本のDX革命の牽引者でしたが、それを後任の茂木敏充氏が引き継ぐことができるのかは不透明です。これは岸田政権のウィークポイントとなる可能性があります。

 また、本誌発売時にはすでに発表されているものと思われますが、外務大臣に経済に強く、バイリンガルの林芳正氏が就いているようであれば、日本のプレゼンスを高めるという意味で非常に期待が持てます(林氏は外務大臣に就任)。

 もう一つの懸念材料は、岸田首相の経済政策があいまいだということです。現時点では「成長と分配」など抽象的なキーワードにとどまっています。ですから、岸田首相が考える新しい資本主義とは何なのか、具体的に打ち出せなければ、長期政権を築くことは難しいでしょう。

 岸田首相は、前述の林芳正氏の他、幹事長を辞任した甘利氏、党内きっての政策通で、今回福岡10区で落選した山本幸三氏などに役職を与えて、ブレーンとして起用するといった采配ができるかどうかが問われます。

 岸田首相がバイデン大統領になるには、早期に数十兆円以上の景気対策を打ち出して、国民にわかりやすく説明することと、党内に経済政策ブレーンを持つことができるかにかかっています。私は「岸田ビジョン」を掲げて、新政権は前進するものと期待しています。

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