2021-11-18

パソコン専門店の生きる道とは? 答える人 野島隆久・ピーシーデポコーポレーション社長

野島隆久・ピーシーデポコーポレーション社長



約45万人の会員を武器に!



 ―― 当時はサブスクリプションという言葉はありませんでしたね。

 野島 まったくないです。われわれは「月額会員制保守サービス」と言っていました。

 当時、いろいろなデジタル機器が登場するようになって、パソコンの接続方法や修理に関する問い合わせや、エクセルやワードの使い方を教えてほしいといった問い合わせが多くなってきました。要するに、ちょこちょこした細かい問い合わせが多くなってきまして、その度にお客様から1千円ください、2千円くださいと言うのでは、お客様も大変だし、スタッフの負担も大きくなると。

 そこで、お客様からの細かい要望や問い合わせにもしっかり対応できるようにと考え、定額で一定のお金をいただくようにしました。要は、ゴルフ場の会員と同じで、当社の会員ですから何回来てもいいと。ですから、わたしは月額保守サービスではなく、会員制にこだわりました。

 そういうことで、2006年11月からパソコンの月額会員制保守サービスを本格展開するようになったのです。

 ―― ポイントはこの会員制なんですね。

 野島 そうです。ただ、当初は月額会員制保守サービスと言っても、なかなか分かってもらえなくて、今でこそサブスクリプションと言えばイメージできるのかもしれませんが、当時はこうしたビジネスモデル自体が存在していませんでしたから、外部の方に説明するのが大変でした。

もちろん、日頃ご利用いただくお客様は理解してくれましたけど、それでも中にはPCデポの保険に入っていると勘違いしているような方もいらっしゃいまして、きちんと説明して、理解してもらうのに時間がかかりましたね。

 ―― そうやって考えると、全ての事業がつながってきますね。

 野島 ええ。わたしはどれだけデジタル技術が発達しても、最後に残るのは人と人とをつなぐ仕事だと考えています。ですから、単にデジタル機器を修理するだけではなく、お客様の生活をデジタルによって豊かなものにすることが使命だと。

 やはり、電器屋さんとも違う、また、携帯ショップとも違う、お客様にとってなくては困る存在でありたいと考えています。

Pick up注目の記事

Related関連記事

Ranking人気記事