2021-10-21

【次のインターネットサービスの主戦場】NFTでの主導権確保を狙うGMOインターネット

『Adam byGMO』のトップ画面

デジタルアートに75億円、NBAのトレーディングカードに数千万円──。形のないデジタル資産が高額で売買されている。ブロックチェーンを活用したNFTの登場でコンテンツ市場が大きく変わろうとしている。日本でも、コインチェックがベータ版のサービスを開始したのに続き、GMOインターネットがサービスを開始。新サービスが持つ可能性とは。


コインチェック、LINE、楽天、メルカリも参入

「NFTとの出会いはインターネット、ブロックチェーンに続き、人生で3番目となる衝撃的な出会いでした。NFTの出現はデジタルコンテンツの流通革命だと捉えています」(熊谷正寿・GMOインターネット社長兼会長・グループ代表)

 GMOインターネットが8月31日、新たなサービス『AdambyGMO』を開始した。

 アダムは人類の創造主によって創られた“最初の人間”であり、ヘブライ語では“地面”を意味する。その名にちなんで「『天地創造』の場として新たな価値を創造しながら、手に入れ難い『禁断の果実』のような魅力あるコンテンツのマーケットプレイスを目指す」(GMO)。

「NFT(Non-Fungible Token)」とは代替不可能なトークン(しるし)を活用したブロックチェーンの仕組みのこと。

 代替性のない「ID」と「所有者情報」「発行個数」「回数」などをブロックチェーンに記録することで、容易にコピーできるデジタルコンテンツの“真正性”を証明。二次流通以降もコンテンツホルダーが収益を得られるようにできる。

 NFTは「eコマース」「金融」「暗号資産」をミックスした事業とも言える。GMOはそれらすべてを提供しており、強みを発揮できる分野だ。

 こうした中、GMOは今年4月にNFTへの参入を表明、6月に事業会社「GMOアダム株式会社」を設立し、8月にサービスを開始。「圧倒的№1のマーケットプレイス」を目指す。

 NFTのマーケットプレイスは、国内ではGMOの他、コインチェックやLINE、モバイルファクトリーが参入。さらに、楽天やメルカリなども参入を表明するなど、次のITサービスの主戦場となっている。

 ブロックチェーンには様々なプラットフォームがあり、NFTはその中の「イーサリアム」のプラットフォームから2017年に誕生した。

 NFTブームの火付け役の1つと言えるのが、20年10月からサービスを開始した北米の男子プロバスケットボールリーグ・NBAの『TopShot』。

『TopShot』はNFTのデジタルトレーディングカードで、選手の名プレイの動画をデジタルカードとして販売したもの。

 これが、NFTで二次流通可能となり、数千万円の値を付けたことから、ビジネスとしての可能性に注目が集まった。

 今年3月11日には米国人アーティスト・ビープル氏のデジタルアートが75億円で落札された。

 海外では『OpenSea』や『Rarible』『SuperRare』などのマーケットプレイスが有名で、取り扱いコンテンツはデジタルアート/トレーディングカード/デジタル音楽/ゲームのキャラクターなど様々。最も規模の大きい『OpenSea』の8月の取引額は30億ドル(約3300億円)に急拡大している。

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