2021-10-22

なぜ、みずほ銀行はシステム障害解決の『司令塔』を作れないのか?

システム障害への対応状況についてオンライン会見を行った、石井哲・みずほFG最高情報責任者

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みずほ銀行の管理能力が疑問視され…


「MINORI(基幹システム)を使いこなせていなかった。それが障害時の対応にもつながっている」と話すのは、みずほフィナンシャルグループCIO(最高情報責任者)の石井哲氏。

 2021年10月8日、みずほFGは8月、9月に発生したシステム障害の原因分析、再発防止策を公表した。

 2021年2月末にシステム障害が発生し、ATM(現金自動預払機)で取引ができなくなったり、通帳やキャッシュカードが取り込まれて返却されないという事態が起きて以降、9月までに計8回の障害が起きた。

 9月22日には金融庁がみずほ銀行、親会社のみずほフィナンシャルグループに対して業務改善命令を出した。検査を継続する中での異例の処分だが、その内容も異例のものとなった。

 それは、年内にみずほ銀行が行うシステムの更改・更新は金融庁に計画を提出した上で、その承認を得なければ実施できないこと。実質的にみずほ銀行のシステムが金融庁の管理下に置かれたと言える。

 だが、金融庁は「みずほ銀行の取り組みについて、金融庁として適切な実施を求めていく形。管理とは考えていない」と否定。

 ただ、金融庁が言うように「管理」ではなかったとしても金融庁が監視を強化してなお、問題が起きれば、その責任が問われかねないというリスクを抱えた。実際、9月22日の行政処分後の30日にも障害が起き、外国為替取引の処理に遅れが出ただけに今後も予断を許さない。

 それでも金融庁が監視の目を強めるのは、みずほ銀行のシステム障害の根本原因が今なお究明されていないから。例えば8月20日の障害は富士通製の機器の故障が原因で、「故障した機器と同じ型番の機器で故障率が上がっていた」(石井氏)という。バックアップも作動しなかったが理由は定かではない。

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