「どんな想定外のことが起こるか分からない」と米国に生産拠点を構える経営者も戸惑いぎみ。世界政治リスクをどう読み、経営のカジ取りをどう進めていくか? その意味で異色の大統領、D・トランプ氏の基本政策構築に世界中が関心をもって見つめている。トランプ氏といえば、正式な大統領就任前から、具体的な企業名をあげて、隣国・メキシコへの投資を踏みとどまらせ、米国内への投資回帰を促すという異例の手法を取ってきた。主要閣僚の承認審議は今、米議会で進行中。閣僚選任、政権構築が済んで、経済、外交・安全保障など主要政策の骨格が固まるのは4月か5月頃という見通し。先行き不透明、不確実性の状況が続く中で、日本の国益をどう計り、日本の産業界の事業構築をどう進めていくか。国も企業も突風に吹き飛ばされないために、地に足のついた進路作りが求められる。
■本誌主幹 村田 博文
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米フォードはメキシコ工場を撤回し、米国工場の投資へ転換。
米・新政権の圧力高まる中──
トランプ・ショック 米国内の雇用を守りながら
メキシコ計画も粛々、トヨタ経営のリアリズム

 


「雇用と地域への責任がある」──。トヨタ自動車社長の豊田章男氏はこう強調する。アメリカ新大統領に選任されたドナルド・トランプ氏。同社を含め、メキシコでの新工場建設を進める自動車会社を名指しで批判し、その対応に差が出ている。今のところトヨタも計画に変更はないとする。米国での自動車販売は日本のものづくりに直結するだけに、トヨタは「国内生産300万台」の維持とトランプ氏の言動とのバランスを図ることになる。

やり玉に挙げられたトヨタ

トランプ氏の政策とはどのような中身なのか──。いま、日本の自動車メーカーの関心はそこに集まっている。
トランプ氏は「最も多くの雇用を創出する大統領になる」と高らかに宣言した。米国は約1755万台という過去最高の新車販売台数を誇り、自動車メーカーにとって世界最大の自動車輸入国でもある。その最大の輸入元がメキシコだ。


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“トランプリスク”がつきまとう因縁のプロジェクト──
世界有数の巨大油田開発 一度撤退した国際石油開発帝石が
再挑戦、イラン・アザデガン油田開発の行方

 


原油埋蔵量世界4位・イランの油田開発をめぐる争奪戦が始まろうとしている。日本企業で入札参加が認められたのは5社。中でも注目されるのは、かつて権益を取得しながら、政治判断によって撤退を余儀なくされた国際石油開発帝石。米オバマ前政権の政策で再挑戦の権利を得たが、今度はトランプ政権の誕生で先行きの見えない状況に逆戻りして──。

原油埋蔵量は260億バレル

いま、世界の石油会社が中東のとある油田開発プロジェクトに注目している。それが2016年1月に核開発問題を巡る経済制裁が解除されたイランの南アザデガン油田だ。イラクとの国境に近い世界有数の巨大油田で、かつて日本の国際石油開発帝石(INPEX)が権益を持っていたことでも知られる。


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